剱岳・長次郎谷 2023.7.5-7 レポート

 2023年7月5日(水)-7日(金)
「剱岳・長次郎谷」


岩と雪の殿堂「剱岳」
そのバリエーションルート「長次郎谷」に挑みます!
小説/映画『剱岳・点の記』で
測量隊が初登頂を果たしたクラシックルート
さあ、どんな世界が待っているのでしょう



<DAY1・7/5>室堂〜剣山荘

ところどころ雪が残る
7月の室堂




美しい高山植物に迎えられ
気分はますます高揚




別山乗越を過ぎれば
剱岳は、もう目の前




本日は剣山荘泊
小屋に到着した直後から
空が荒れ出し
風雨で小屋がガタガタ音をたてています

明日の天気が気になりつつ
眠りにつきます




<DAY2・7/6>剣山荘〜剱沢〜長次郎谷〜剱岳本峰〜別山尾根〜剣山荘


アタック日の朝
起きたときは真っ白だったのに
徐々に雲がとれていき
太陽が顔を出しました





6時すぎに剣山荘を出発する頃には
ご覧のような快晴





本日は長丁場
まず剱沢雪渓を大きく下って
長次郎谷出合を目指します





雪渓の一部は
もう崩れ始めていました




平蔵谷は
土砂崩れで通行止め




長次郎谷出合から
雪渓の長い登りが始まります




右手は八ツ峰
左手は源次郎尾根という
剱岳屈指のバリエーションルートにはさまれた
夢のルート




長次郎谷は
雪がある時期だからこそ登れます

とはいえ
真冬では厳しすぎる
つまり
残雪の時期こそがチャンスなのです

小説『点の記』の中の
長次郎のセリフが思い出されます

「登頂路は案外簡単なところで、
ただそこを登るには(中略)ごく短い時期に限るとか(略)」

実際に測量隊は
残雪期のわずかな梅雨の晴れ間を狙って
登頂を試みました

登れる時期が限られた
幻のルートだったから
簡単に見つけることが
できなかったのですね




「熊の岩」まで来ました
ここまで落石の危険と隣合わせで
休憩が十分とれなかったので
ここでしっかり休憩します

この先に最大傾斜の雪面登りが待っているので
体力回復とエネルギー補給も兼ねて
大休憩です



 
それにしても
目の前の八ツ峰が




とてつもなく
かっこいいのです




長次郎のコルに向けて
最後の登り
一歩一歩確実に
ダガーで登っていきます




ふうふう言いながら
長次郎のコルに着きました




雪渓はここで終了
アイゼンを脱いで
本峰への岩稜登山が始まります




まさに
雪と岩の殿堂
剱岳の奥深さを
ただいま実感中




剱岳の山頂が
見えてきました




三角点を通って




頂上の洞に到着

別ルートから登ってくると
山頂の表情が
違って見えます




下りは別山尾根ルートで
無事、剣山荘に戻ってきました




アタックを終え
シャワーも浴びて
登頂のお祝い
この時間がいいのです




<DAY3・7/7>剣山荘〜室堂


最終日も快晴
アタックを終えた安堵感に浸りながら
室堂へ下ります





室堂のお花畑が
一昨日にも増して華やかです




みくりが池に映る立山三山
それを眺めながら
立山曼荼羅に描かれた剱岳を思っていました
「登ってはいけない針の山」

さらに時代をさかのぼれば
「弘法大師が草鞋三千足使っても登れなかった山」
とも言われてきました

小説『点の記』では
この言葉の背景が細かく描かれています

そういうことだったのか
と知ってから
長次郎谷に登ってみてください

きっと新たな「剱岳」に
出会えるはずです








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