山ジムFAQ

山ジムFAQ
山ジムに関するご質問にお答えします


■心拍数について


Q 山ジムでは、なぜ心拍計をつけるのですか?
A 安全かつ効果的にトレーニングするためです


山ジムは、登山のための体力づくりトレーニングです。
山の中でトレーニングをするとき、最も注意しなければならないことは
負荷をかけすぎないことです。
一方、トレーニングである以上、ある程度の負荷をかけなければ
体力アップという結果につながりません。
そこで、自分にとって適度な負荷となるように心拍計をつけます。
運動中の心拍数を管理することで、安全で効果的なトレーニングが行えるようになります。


TRACEでは胸で測る心拍計の貸し出しをしています
使いやすい心拍計を自分で用意されてもOKです



Q どのくらいの心拍数で歩くといいですか?
A 最大心拍数の65〜85%、自覚強度なら「ややきつい」が目安


安全かつ効果的なトレーニングが行えるのは
最大心拍数(*)の65〜85%といわれています。
たとえば、最大心拍数が171の人なら「111〜145」になります。
山ジムでは、この範囲を「心拍ゾーン」と呼び、
トレーニング中に「ゾーンの下から+10までで歩いてください」などと
トレーナーから指示が出ます。
上記例の「111〜145」がゾーンの人は、121以内で歩くということです。
山ジムはトレーニングなので、これより心拍を上げて歩くこともありますが、
一般の登山では、この「ゾーンの下から+10」以内(最大心拍数の70%まで)
で歩くことをおすすめします。

*【最大心拍数】=人が発揮できる最大の心拍数
最大心拍数は年齢から算出でき、この計算式にはいくつかの方法があります
TRACEの山ジムでは、208ー(0.7×年齢)で計算しています



Q 他の人と心拍ゾーンが違うのはなぜですか?
A 心拍ゾーンは年齢など個人差があります


山ジムでは、最大心拍数の65〜85%を運動に適した心拍ゾーンとしています。
最大心拍数は年齢とともに低くなる傾向があり、また個人差もあるので
他の人とゾーンが違うのは当然です。
山ジムでは、年齢から最大心拍数を算出し、ゾーンを決めていますが、
トレーニングを長く続けている方は、自覚強度も参考にして
適正ゾーンを設定するようにしています。



Q そもそも「心拍数」って何ですか?
A 1分間に心臓がドクンと拍動する回数のことです


心拍数とは、1分間に心臓がドクンと拍動する回数のこと。
この拍動数は個人差がありますが、
運動をしていないときの平均は、60〜70回くらいでしょうか。
運動をすると、酸素の需要が高まって心拍数が高くなります。
走ると呼吸が激しくなり、心臓もドキドキしますよね。
これが、心拍数が高くなっている状態です。
登山では、斜度、荷物の重さ、歩行ペースで、心拍数が大きく変動します。




■歩き方について


Q 心拍数に合わせて歩くと前の人から離れてしまいます
A それでいいのです!


山ジムは、自分の心拍数(心拍ゾーン)に合わせて歩くトレーニングです。
よって、歩くペースは一人ひとり異なってくるはずです。
もし、前の人に合わせて歩くことで、あなたの心拍数が上がりすぎてしまうなら
それは、オーバートレーニング(負荷が高すぎる運動)です。
反対に、心拍数がなかなか上がらなければ、十分なトレーニングになっていないでしょう。
グループで歩いてると、つい前の人について行きそうになりますが
山ジムでは、自分の心拍数に合わせて歩くことを常に意識しましょう。

自分の心拍で歩いていると、
前後の人が見えなくなって一人で歩く時間帯も出てきます。
こういうときは、道標を見落としたりしないように、
周囲に意識を向けながら歩いてください。
当然のことですが、危険箇所や迷いやすい箇所は、
ガイドのリードで全員がまとまって歩きます。


自分の心拍数に合わせると他の人と距離が離れますが
それでOK



Q ウォームアップパートがゆっくりすぎる感じがします
A 徐々に運動に身体を慣らしていくことが大事


山ジムでは、ウォームアップ→メインの運動→負荷を上げる→クールダウン
という流れでトレーニングを構成しています。
歩き始めの30分〜1時間は、
運動に身体を慣らすためのウォームアップパートなので、心拍ゾーンの低い範囲で歩きます。
心拍をあまり上げないので、なかには
「ゆっくりすぎる」と感じる人もいますが、そのくらいでOK。
救急体制が整っている生活圏と違い、山の中でのトレーニングは、
急激に身体に負荷をかけないことがなにより大切です。
後半は、体調をみながら心拍を上げるパートも出てきます。
そのための準備として、また自分の体調を把握する重要なパートとして歩いてみてください。




Q 設定された心拍数どおりに上手く歩けません
A 登山道の変化に合わせて速度をコントロールしましょう


登山道は常に変化しています。
急登もあれば、平坦な場所、下りもあり、これらが不規則に現れます。
同じ登りであっても、斜度は一定ではありません。
そのような環境では、歩行スピードを変えることで心拍数を調節していきます。
具体的には、急登では歩幅を狭く、ピッチ(足の運び)を遅くします。
平坦かつ安全なトレイルでは、やや大股でサクサク歩いてOKです。
下りは、心拍数を気にせず安全第一で歩いてください。



変化する登山道では
歩行スピードを変えることで心拍数を調節します




Q 下りで心拍が落ちてしまいますが走ったほうがいいですか
A 下りでは走らないでください


下りは重力方向への移動なので、どうしても心拍数が下がります。
無理に上げようとすると、速く歩かなければなりません。
下りは体重の2倍以上の負荷が足腰にかかるといわれています。
走るとさらに負荷は増します。
下りでスピードを上げることは、身体への負担が大きくなるのです。
また、速く歩くことで転倒・つまずきなどのリスクも高めます。
下りでは心拍計を気にせず、安全に歩ける速度をキープしましょう。
トレイルランニングなど、特別なトレーニングをされていて
下りでもスピードを上げたいという方はお申込時にお知らせください。




Q インターバルトレーニングの正しいやり方を教えてください
A 心拍数の高低をしっかりつくることがポイント


インターバルトレーニングは、心肺機能を高めるトレーニングです。
高強度の運動の間にレスト(休息)を挟みながら、一定時間繰り返します。
山ジムでは、登りの傾斜を利用して、
心拍を上げる→心拍を下げるを6セット程度行っています。

インターバルトレーニングを効果的に行うポイントは、次のとおり。
●心拍を上げるとき
・最後までペースを落とさない(できるだけ最後まで心拍を上げ続ける)
・スピードがガクンと落ちそうになる手前でコントロール(酸欠で脚が動かなくなる/息が苦しくなる、を予測し、ギリギリのところで攻め続ける)
*NG:一度上げたペースが途中からどんどん落ちてくる(コントロールしないと、こうなりがち)

●心拍を下げるとき
・上げるパートで出た最大値からマイナス30を目安にしっかり下げる
・セットを重ねていくと、「上げる/下げる」の心拍の差がなくなってしまうという人は、
 「上げる」が限界に来てしまっているということなので、「下げる」を意識してしっかり差をつくる

●インターバルトレーニングの注意点
強度がとても高いトレーニングなので、注意点を守って行いましょう
・指導者がいない山の中では決して行わない(とくにソロ山行はNG)
・身体が十分運動に慣れた後に行うこと
・体調が万全なときに行うこと
・心拍計を装着し、運動強度の管理をした上で行うこと







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